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MINO ARATA + AMIMORI SHOHEI

King-Richard_3.tomb

King-Richard_3.tomb

1591年に初演が行われたシェイクスピアによる悲劇『リチャード三世』。写真家・舞台作家である三野新と音楽家・作曲家の網守将平による《King-Richard_3.tomb》は、王の弟で詭弁家であるリチャード三世がその話術と策略で政敵を陥れ、王位につくが、すぐに味方が離れていき討たれるというあらすじの『リチャード3世』を参照することで制作された。

「わたしはリチャード三世の墓にいます。ここには、かつて、リチャード三世がいました。わたしはリチャード三世が死んでしまって悲しい。ここにいたリチャード三世は、殺されてしまいました。わたしは、いま、リチャード三世ですか?」

オリンピックへ向けた都市開発が加速する2019年-2020年の東京を舞台に、工事現場の仮囲い沿いを、パーカーとジャケットを着た人物がギターをひきずり、セリフを読み上げながら歩いている。マイクを持った人物が前に付き添い、工事現場の作業音などの環境音と共に、この言葉を録音している。ギターを持つ男性は、リチャード3世を模倣しながらも言葉を吐き出し、何かを代弁するかのように言葉を紡ごうとしている。またそれと並行して、ギターを道路に叩きつけ、その木製の躯体を壊しながら、ときおりそれを鳴らす。そうして作られる音像と悲劇を嘆く男の独白は、衰退が確定された状況の中で強がりを見せる東京の空気感を刹那的に掬いあげているのかもしれない。

三野新

1987年福岡県生まれ。ニカサン主宰。 写真家・舞台作家。2010年より「写真と身体の関係性を追求するカンパニー」であるヒッピー部を主宰し、以降全作品の写真・構成・演出を手がける。2013年『Z/G』にて初個展以降、三野個人名義での展示/パフォーマンス作品を発表。「恐怖の予感を視覚化する」ことをテーマに作家活動を行っており、見えないものを見る手法として、物語・写真行為・演劇を横断的に試行/ 思考しながら制作している。2017年に演劇を行うカンパニーであるニカサンを結成。主な作品に、「うまく落ちる練習」(ANOMALY & 京都芸術センター、2019)『「息」をし続けている』(Chim↑Pom「にんげんレストラン」、東京、2018)等。

www.aratamino.com

 

網守将平

1990年東京都生まれ。音楽家/作曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。同大学院音楽研究科修士課程修了。学生時代よりクラシックや現代音楽の作曲家/アレンジャーとして活動を開始し、室内楽からオーケストラまで多くの作品を発表。 近年はポップミュージック~サウンドアートまで領域横断的な活動を展開。様々な表現形態での作品発表やパフォーマンスを行う傍ら、CMやテレビ番組の音楽制作、スタジオ/ライブミュージシャンとして多くのアーティストのプロジェクトに携わっている。主な音楽作品に、『パタミュージック』(フルアルバム、noble、2018)、主な展示作品に、『Broken Silencer』(サウンドインスタレーション、「MOTサテライト 2017秋」、東京、2017)等。

www.shoheiamimori.com

出演者 / スタッフ

出演:立川貴一、大城真、網守将平

録音:大城真

撮影助手:志賀 耕太

脚本・撮影・演出:三野新

音楽・サウンドデザイン:網守将平

 

© Arata Mino + Shohei Amimori

2020/02/19
09:28:47 JST

ENJA