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TANIGUCHI AKIHIKO

Sandplay Therapy and Meaning Contour Gauge

箱庭療法と意味の型取りゲージ

谷口暁彦はこれまで、3DCGによる映像作品やインタラクティブな作品を手がけてきた。現実の物体が持つ意味や機能は作品の中で転用・脱臼される。あるいはインターネットアート史やビデオゲームアート史について概説を行い、しばしばそれが作品に組み込まれるなど、その活動は一貫してメタ認知的な関心に貫かれている。本作《箱庭療法と意味の型取りゲージ》もまた、3DCGとナレーションからなる映像作品である。谷口の姿をしたアバターが登場する映像と共に、情報と意味、造形の関係について説明が行われる。最終的に本作の中で、これらの説明はひとつに結びつき、「意味によって構築された都市」あるいは「意味彫刻」と呼びうるような造形物として姿を表す。

1.
私たちは、情報を一時的に保存するために、何らかの物質を加工したり変形させる手法をとる。例えば紙に文字を書くことや、ハードディスクなどの記録メディアにデータを保存することも、どちらも物質を加工、変形させ、情報を留める方法だ。変形は一定のルールに基づいて行われており、同じルールに基づいて解読することでその意味を読み出すことができる。つまり、私たちは情報を保存するとき「かたち」に意味を担わせている。

2.
現実の都市は箱庭のように作られていないが、オリンピックなどに関連した大規模な再開発が起こるとき、その急激な風景の変化に箱庭の制作に似た人為性を感じることがある。箱庭療法がクライエントの心象を表現しているならば、現実の都市の風景は何かを表現しているだろうか。

3.
「意味の型取りゲージ」は「かたち」から意味を取り出すための道具だ。「かたち」は意味の型取りゲージに基づいて作られていないかもしれないが、意味の型取りゲージは、何らかの意味を取り出すことが出来る。

谷口暁彦

アーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース専任講師。メディア・アート、ネット・アート、映像、彫刻など、さまざまな形態で作品を発表している。主な展覧会に「[インターネット アート これから]——ポスト・インターネットのリアリティ」(ICC,2012)、「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館,2016)、個展に「滲み出る板」(GALLERY MIDORI.SO、東京、2015)、「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2017)など。

okikata.org

© Akihiko Taniguchi

2020/09/30
04:14:35 JST

ENJA