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TSUKIYAMA SHOTA

A Trapped Room

閉じ込められた部屋

監視カメラによって映し出されているのは、この部屋の住人と思わしき男性の姿。マグカップで水を飲んだり、スマートフォンを操作したり、日常的な動作が記録されている。動画の中の男性は平静を装いつつ、自身に向けられたカメラをそこはかとなく意識しているようにも見える。室内のレイアウトは日付とともに少しずつ変化し、写真はその様子を断片的に伝えている。東京でオリンピックが開催される予定だった、2020年の春の記録。

築山が今回発表するのは、「閉じ込められた部屋」と題した、写真、映像、パフォーマンスで構成されたシリーズの新作。現在の部屋に住み始めた頃から、築山は室内を監視カメラで記録していた。当初は部屋を訪れる他者との関係性や距離感を映し出すことを目的としていたが、次第に自分自身の行動を観察することに関心が移る。
発表を前提としたプライベートとパブリックが入り混じる生活の中で、新型コロナウイルス感染症の拡大とともに社会の状況は急速に変化してゆく。積極的に部屋に閉じこもった築山と、期せずして部屋に閉じ込められた人々。現実を先取り、現実に追いつかれた築山は、フィクションとドキュメンタリーのあいだで複雑なステップを踏み続けている。

共同キュレーション:伊藤貴弘

築山礁太

1997年、東京都生まれ。2019年、日本写真芸術専門学校卒業。変化する記憶を主なテーマに制作を行い、自主制作によるアーティストブックも精力的に発表している。個人以外にCulture Centreや mob(河原孝典、築山礁太)としても活動。主な展示に2018年「Immersed Materiality」(White Noise)、2019年「退屈な本 Boring Books」(「TOKYO ART BOOK FAIR 2019」、東京都現代美術館)など。

shotatsukiyama.com

© Shota Tsukiyama

2020/09/30
06:32:35 JST

ENJA